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ちょっとした短い小説の掃き溜め。 CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。 (※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず) コメントはご自由にどうぞ。いただけるとやる気が出ます。
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思いついたので載せます。
大黒○季『あ/な/た/だ/け/見/つ/め/て/る』の替え歌です。口ずさみながらどうぞv



『三橋だけ見つめてる』


みはしだけ見つめてる
出会った日からいまでもずうっと
みはしさーえそばにいれば
他になにもいらなーい

夢のハイテンショーン♪


みはしがそうきょどるから
大声をまず止めたわ
どこにいても捕まるように携帯持ったわ(っていうか持たせた。俺の番号はもちろん短縮1番)

群馬も詳しくなったし
肉まんさへも好きになったわ(三橋が一番好きなのはセブンのにくまん)
迷っているけどこの人に一生ついていくと決めた(一方的に)

みはしだけ見つめてる
出会った日から今でもずっと
みはしさへそばにいれば他になにもいらない

愛のハイテンション

三橋がそうビビるから
まっすぐ帰るようになった(泉がストーカー禁止だってよ)
ザツだった言葉遣い丁寧になった

三橋がそううつむくから
無言電話もやめたわ(栄口に怒られたから)
便利だったクソレとか整理した(いいパシリだったのに)

髪も服も目立たなくお料理も頑張るから
9組には行きたいな…(休み時間ごとにな)
嫌がってた榛名とも絶交したわ

三橋だけみつめてる
昔みたいに笑わなくなった(ニィッ)
苦手だった三星のツリ目
今ではお茶してる(まぁ嘘だけどな)
ヤバイ ハイテンション

みはしだけみつめてる
そして他に誰もいなくなった(っていうか寄ってこなくなった)
地味に生きていくの
三橋ごのみの捕手 目指せ ラブパワー

みはしだけ見つめてる
独りで(一方的に)待つ二人だけの部屋
みはしの微笑みはバラ色の鎖
行けっ夢見る夢無し捕手Oh~



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元気だけがとりえの金太郎に元気がない、というのがただいまの白石の目下研究課題だった。

白石は、子供のような金太郎が可愛くてしかたがない。

今日も「白石~!白石~!ちょっと聞いてや~!」と自分の周りを、金魚の糞の如く、付きまとってくる金太郎を想像しながら部活の時間を待っていた。

掃除当番を大至急済ませて部に急ぐと(同じ当番のクラスメイト達から「なんやずいぶん熱心な部長さんやなあ」とからかわれた。)金太郎は、部室のイスで膝を抱えてうずくまっていた。

「き、金ちゃん…どないしたん?」

金太郎は負のオーラを背負ったままピクリとも動かない。

「それがなぁ…金太郎はん、さっきからそうやってピクリとも動きまへんのや。お腹でも痛いんちゃいますか?」
と小春が言った。

「それよりユウク~~~~~ン♪今日の練習メニューなんやけどぉ~~~~~♪」
小春は一氏と部室を出て行った。

金太郎のことは白石がどうにかするやろという空気が部室にはあり、部員は心配しつつもコートに出て行った。

部室には金太郎と白石だけが残された。

「金ちゃん、どないしたん?」

しゃがみこんで金太郎の顔を覗こうとするけれど、金太郎の顔は抱え込んだ膝の下になっていて見えなかった。

「お腹でも痛いんか?昨日何食ったん?なんか悪いもん拾い食いしたんやろ」
ぽんぽんと頭を撫でると、金太郎は泣いているのか肩も声も震わせながら言った。

「白石の顔……俺見れへん。見ちゃいけないんや!」

「なんでや?俺、金ちゃんになんかしたか?」

「白石はなんもしてへんよ…でも見れないんやぁ…」

「…………。」

「金ちゃん、俺のこと嫌いになったん?」

金太郎はブンブン頭を振った。

(金太郎は天然すぎて、何考えてるかわからんからなぁ…)

「金ちゃん……いい加減本当のこと言わないと…………………………」

「しっ白石!!毒手は嫌やっ!!!」

金太郎がバッと顔をあげる。ボロボロと涙を流して顔を赤くしている相手を目にした瞬間白石は頭が真っ白になった。

「金ちゃん…」
「んっ」

顎をつかんで、無理矢理唇を重ねる。

「ん~~~~~~~~~っ!」
「っと……金ちゃんがあまりに可愛かったから…つい」
「白石ぃ~…」

金太郎は更にボロボロ泣き出した。
「ど、どうしたん?!どっか苦しいんか?!」
「白石!どないしよう!俺、病気みたいなんや!!!!」
「びょっ病気?!な、なんの病気なん?金ちゃん?」
「なんなんかわからへんけど…」

金太郎は顔を赤らめて俯いて呟いた。

「エッチな夢見てな…朝起きたらな、パンツが汚れてたんや…。白い気持ち悪い変なのがな、パンツについてたんや…。」

「き、金ちゃん…」

「そもそも白石が悪いんやで。俺の頭撫でたり、変なところ触ってきたり、キスしようとするからあんな変な夢みたんや…俺病気で変態になってしまったんやぁ…白石の馬鹿っ!!俺まだ死にたくないぃ~」

「き、金ちゃん……それって……」

ただの夢精やん、という言葉をゴクリと飲み込んで、白石は涙をポロポロ流す金太郎を見下ろした。

熱い何かが白石の理性を突き破って、姿を見せようとしている。









(続……かもしれない)


「い、いらっしゃいませ…」

か細い声はフロアに響く。
三橋は周囲を見渡し、自分が接客につくべき客がフロア内にいないことを知ると深く溜息をついた。

不安。
不安、不安、不安、不安、不安…。

心の中は暗闇に満ちていて、希望が見出せない。
暗い気持ちが心を掻き毟って、感情がぐちゃぐちゃで…。こみ上げてくる涙を堪えることに三橋は必死だった。

(今は仕事中…なのに。)

(集中…しなく…ちゃ。俺のわがままで…仕事を変えてもら…ったんだから)


三橋はついこの間まで東京の本社でデスクワークをしていた。
今は大阪の祖父が経営する総合百貨店の店員だ。

東京にいるのが嫌で、遠くに行きたいとわがままを言った。
どうせなら海外に高飛びしたかった。
あの手紙を投函してしまった後、あれを読んだ相手の反応を考えると不安で怖くて夜も眠れなくて。
まるで指名手配中の犯人のような心境だった。
高飛びできたらどんなに良かっただろう。
だが、三橋の働く会社に海外支社はなかった。祖父は跡継ぎとして三橋を非常に気にかけてくれている。そんな祖父を裏切って“どこか遠くに”行くことはできない。

たとえ職種が変わっても、接客業が苦手でも、自分のわがままで大阪にこれたことを感謝しなければならない。

それでも。

大阪転勤は一時的なものだった。いずれは本社に戻らなければならない。

彼…との物理的距離が縮まってしまう。

(忘れたい…忘れたいのに…)

忘れようとすればするほど、その人が脳内を独占する。
もう10年も会っていないはずなのに、脳内の阿部は成長した阿部なのだった。最後に阿部と顔を会わせたのは高校の卒業式で、それ以来ずっと会っていないのに、なぜか頭の中の阿部はスーツを着ていて大人な表情をしている。実際に見たわけでもないのに、なぜかその精悍な顔立ちの男が10年後の阿部なのだと自分は知っていた。そしてその阿部には綺麗で若い女が寄り添っている。顔ははっきりわからない。暗くぼやけていた。
それでもなぜか自分はその人が美人であることを知っていた。

(阿部君……)

自分の知らない女性と結婚をする阿部。自分の知らない女性を愛している阿部。自分の知らない女性と行為をする阿部。

(阿部くん……おれっ…苦しい…よ…自分が悪いのに……俺…)


目の前のガラスケースに堪えきれなくなった涙がぽたぽたと落ちた。
ガラスケースの向こう側には輝く綺麗な指輪が多数小奇麗に並んでいる。

三橋の持ち場は結婚指輪などのジュエリーを扱う売り場で、この職場にきてからというもの三橋は何組ものカップルが指輪を買っていくのを静かに眺めていた。
時には接客をしながら商品を選ぶのを手伝った。

女性が薬指に指輪をはめながら楽しそうに選んでいる様子を見るのは胸が張り裂けそうだった。

(阿部くん…も奥さんに……指輪をプレゼント…したんだろうな…)


「ねえ」

いきなりあがった声に三橋はびっくりしてガラスケースの上に落ちた涙を慌てて手で拭いた。

「は、はい……いらっしゃいませ!」

下を向いたまま、目を擦る。

(ど、どどどうしよう…接客しなくちゃ…いけないのに…俺の顔…ぐしゃぐしゃ、だよ…は、はやく顔あげない…と)


「ねえ、俺さ好きな人に指輪をプレゼントしようと思ってるんだ。どれがいいと思う?」
「は、はい…。えっと…それは…どういったプレゼントですか…?こ、婚約指輪ですっ…か?それともお誕生日…」
「その人とずっと一緒にいたいって気持ちを伝えるための指輪。」
「こ、婚約ゆびっわ…ですね…。」
「ね、どれがいいと思う?」
「お、俺なんかより…おおお客様が選ばれたほうが…」
「いいから、お前が選んで。お前が好きなやつからプレゼントされるとしたらこの中でどれが良い?」
「えっえっと…じゃ、じゃあ…ご予算は…?」
「値段も別に気にする必要ないから。お前が一番欲しいと思うやつ選んで。」
「おっ俺が……」

三橋はうつむいたままケースの中で小奇麗に並べられた様々な指輪を目で追った。
珍しいことだとは思わなかった。
男性が一人で店に訪れることはよくある。多くはプロポーズのための指輪を買うためだ。恋人をびっくりさせたくて、内緒でやってくるのだ。しかしこういった光物に興味のない男が一人で婚約指輪を選ぶのは難しい。
三橋もよく接客中、自分の意見を求められた。

(この人も…愛する人が…そばにいるんだ…いいなぁ…)

三橋はこの店で働きはじめてからずっと気になっていた指輪を指差した。

(こんな素敵…な指輪……阿部君…から貰えたら…どんなにいいだろう…って思ってた)

「俺…だったら…これ、が…いいと…思います…」

「それじゃあそれ下さい。」

「えっ?いいんで…すか?」

男の迷いのない即決に三橋は固まった。自分の意見はあくまで参考だ。それを踏まえた上でこの男が選ぶべきだ。これではまるで、三橋が決めたようだ。

「あっあの…もっと自分で…いろいろ見て選んだ…ほうが…」
「いいから。早く包んでよ。」
「わ、わかりました…」

三橋はビクビクとその指輪を包装した。はじめは全くうまくできなかった包装も今日は綺麗に出来た。


「ど、どうぞ。あ、あのお会計のほっ?!」

綺麗に包装された箱を差し出すと、急にその男に手首をつかまれた。

「なっなに……あっ」

驚いて顔をあげると、目の前にはあの人がいた。

頭の中で描いていた通りの、彼が。


「ああああああああああ、阿部くん……どうし、て…」

真っ直ぐな阿部の視線が痛い。吸い込まれるように三橋もまた阿部から目をそらすことができなかった。

「あ…こ、婚約…指輪…買いに…きたの?お、奥さんの…?」

「三橋、それは違う。」

阿部は涙で目をいっぱいに貯めた三橋を見据えて言った。

「結婚するのは俺の弟だ。それはお前の勘違いなんだよ、三橋。」

「か、かか勘違い?」

「そう。勘違い。」

「じゃ…こ、この指輪…は?」



阿部は三橋の腕を引き寄せて、あっと言う間に口を塞いだ。
唇から相手の熱が伝わってくる。

時が止まったようだった。



「これはお前のだよ、三橋。」


ゆっくりと唇を離した阿部がそう三橋の耳元で囁いたその時、三橋は頭の中が真っ白で何がどうなったのかついていくことができなかった。





それでも。






三橋をとりまく世界が変わったことだけはわかったのだった。
「あ」

部屋を出ようと扉を開けた時、目の前に今まさにノックをしようとしている織田がいた。

「織田…」
「叶……」

しばしの沈黙。気まずいムードが流れた。


「なぁ織田…」
「行かへんよ。」
「へ?」

織田は一歩を踏み出して叶を抱き締めた。

「関西の大学なんて行かへん。」
「なんで…そのこと…」
「机にな…パンフが出しっぱなしになっとって。それ見た時…あぁ叶はこれ見て怖くなってしもうたんかなぁって思って。だからあんな話したんかなって…」

織田の腕の力が強まる。叶は織田の胸に顔を埋めた。

織田は全てをわかっている。自分の弱いところを知っていて受け止めてくれている。

温かくて心地よくて。

自分の弱さをさらけ出すことがこんなに心地よいことだなんて知らなかった。


「俺元々関西に帰るつもりなんかないんやで?叶の勘違いや。俺こっちの大学行くつもりやって…。あのパンフは勝手にオカンが寄越しただけなんや…」
「へ?」

顔をあげる。恥ずかしそうな顔をした織田が頭を掻いていた。


「オカンがな…帰って来きて欲しいみたいでな。俺は叶と離れる気なかったから断ったんや。」

「へへっ」
「なに笑ってん?」

「あははは」

嬉しくなって笑みがこぼれる。
疑心暗鬼になって一人塞ぎ込んだ自分が馬鹿みたいだ。

「織田…」

ごめんと言いたいのにありがとうと言いたいのに言葉は喉の奥で詰まってしまう。照れくさくて恥ずかしい。


「えぇよ。わかっとるから。」


そんな叶を見て織田はやんわりと笑い叶の頭を撫でた。


温かくて気持ち良い空間。

ずっとずっと彼と一緒にいたいと思った。


心の底から。





ありがとう…




叶は心の奥で呟いた。




「織田」


「なんや?」


叶は爪先だちで背伸びをし織田の頬にキスをした。


「俺決めた。もう離れないからな。織田がいつか遠くに行くことになってもついて行く。」

クスッと織田が笑う。

「地獄の果てまで?」

力強く頷いて叶は言った。

「地獄の果てまで!」







自分の部屋に戻った途端に緊張の糸がプツリと切れて涙が溢れ出した。

叶は扉を背にしてうずくまり号泣した。
静かな薄暗い部屋に嗚咽が響く。


織田は今頃何を想っているだろうか。

(俺の演技…見破られなかったよな…)

少し不安になったけれどあの様子では大丈夫だろう。

織田は非常に戸惑っていた。
叶が本気であると悟った顔をしていた。


(ごめんな…織田…)

よろよろと立ち上がり制服のままベッドに倒れこむ。
凄まじい疲労感を感じる。 人に嘘をつくのはこんなにも気力を吸い取られるものなのかと叶は考える。

いや…嘘をついたから…じゃない…


(俺…織田を捨てたんだよな…)

ジワリとまた涙が込み上げてきて視界が歪む。

(こうするしかなかったんだ…)


ずっと考えていた。
織田の部屋で関西の大学の入学案内を目にしてしまったその日から。

織田は群馬の人間じゃない…生まれた場所に帰りたいと思うのは当たり前の選択だ。

でも。


織田と離れ離れになって生きていく自信がなかった。

織田を笑顔で見送る勇気もない。

泣きながらすがってしまいそうだった。

俺を捨てないでくれ。

胸の中で何万回唱えただろう。

別れるその日が訪れた時、その言葉は制止する叶の理性を打破って口から飛び出してくるに違いなかった。

3年間ずっと織田に甘えて生きてきたと思う。

三橋と別れて、ズタズタだった叶の心を織田は文句一つ言わずに受け止めて温めてくれた。


―…叶、俺待つよ。いくらでも待ったる。叶が三橋を忘れて新しい恋がしたいって思うようになるまでずっと待っとるから。




(織田は俺に無償の愛をくれた。三橋とは違う…三橋とは違う恋だった。三橋はいつも不安定で、俺が支えてやらないとアイツ消えちまいそうで…俺は不安で仕方がなくていつも三橋のことを考えていた。俺は必死だった…。織田は…違う。底知れない安心を俺にくれた。いつも優しくて…優し過ぎて俺…どんどんわがままになってた。アイツといると心地よくて…三橋の時みたいな激しいドキドキはなかったけど…俺は織田と一緒にいることがたまらなく好きだった)




織田と離れ離れになるなんて耐えられない…。
だから先に突き放さなきゃいけないって思った。

織田から切り出されたら甘えてしまう。

行くなって泣きわめくに決っている。


自分からこうするしかなかったんだ……。


「俺の愛する人は…いつも俺から離れて行っちまう…」

シーツに涙が染みて頬に触れる部分がひんやりと冷たい。

とその時…



携帯が鳴った。
この着信音は…。


「もし…もし」
「もっもしもし…?」


懐かしい愛しい声が耳に飛び込んできた。

三橋。愛していた人。三橋には今新しい恋人がいることも知っているし、三橋は叶と織田の関係も知っている。お互いの恋愛関係は一切無くなっても今でも大切な人であることに変わりはなかった。

恥ずかしがり屋の三橋から滅多に電話がかかってくることは無い。
だからつい自分が現在進行形で泣いている事実も顧みずに通話ボタンを押してしまった。

「しゅ、修ちゃ…ん」
「廉?…どうした?」
「……修ちゃん…今泣いて…る?」


ズキンと胸が痛む。

「なんで…わかった…?」
「嗚咽みたい…な音が…聞こえた…から」
「……………。」
「ど、どうしたっ…の?」
「…………織田と別れたんだ。」

どうしてだろう。すんなりとこんなことを三橋に話ている自分がいる。
辛くて辛くて辛くて…藁にもすがる思いだったのだろうか。誰でも良い…話を聞いて欲しい。

懺悔がしたい。

「どっどうして…?」
「織田が…卒業したら関西に帰っちまうんだ…。俺…耐えらんなくて…」
「………………。」

数秒間黙り込んだ後、三橋が言った。


「なんで…追いかけない…の?」

「へ?」

「しゅ…修ちゃんも関西に行けば…辛くない、よ?」

「俺が…?」

考えたこともなかった。

俺が織田を追いかけて離さなければ良い。なぜそのことを考えなかったんだろう。
織田はいつも俺に無償の愛をくれたから、俺は織田に何かをして貰うことに慣れてしまって…いつの間にかそれが当たり前になっていて…俺が何かをしてやるなんて考えもしなかった。

「あっ…あのね修ちゃん…」
たどたどしく三橋が言った。
「おっ俺…も阿部くん…と離れ離れになりたく…無くって…大学でも一緒に…野球がしたく…て…今日言ったんだ…!阿部君っと…同じ大学に行きたいっ…て…俺は頭悪い…から阿部君と釣り合わない…かも…だけっど…阿部君は志望校のランク…変えないで…いいから…俺頑張って勉強する…から一緒にいさせて…くださいって…言ったんだよ…」
「…そして阿部はなんつったんだ?」
「……黙って抱き締めて…くれたよ…それからありがとうって…頑張ろうなって言ってくれた…よ…勇気を出して良かったぁ…」

「そっか。良かったな、三橋」

叶は思う。

なんとなく三橋はこの話を俺にしたかったのだろうと。
一年の頃ならばこんな話を聞かされては、胸が引き裂かれそうだった。三橋が好きだったから。
でも今は違う。三橋の話を穏やかに受け止めている自分がいて…自分のことのように嬉しく祝福している自分がいて。


(俺…織田が好きだ…)



穏やかに別れを告げて電話を切る。


織田にもう一度会いに行こう。 今度は辛い未来のためではない。明るい未来のために…。
先ほどは自分が傷付きたくないばかりに織田に酷いことを言ってしまった…。

許してもらえないかも知れない…でも俺は許しを請う。



そして






俺の覚悟を伝えよう。



紛れもない本物の覚悟を。











××××××
終わらなかった…(汗)次回簡潔します

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