ちょっとした短い小説の掃き溜め。
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(※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず)
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桐青高校元野球部員島崎と山ノ井は、高瀬を呼び出して、刑事ドラマよろしく取り調べの真っ最中であった。
引退した後だと言うのに、なぜこんなことになったのかと言えば、一年生捕手で新レギュラー候補の利央に泣き付かれたからである。即ち準太の罪状は利央曰く「準さんが、練習サボるんです!」ということになる。
利央が誰かれ構わず三年に泣き付くので、すでに推薦で進路が決っていて比較的暇な島崎と山ノ井が、お説教するということになったのだった。
「準太お前、練習出ないと駄目だろ?マジでお前、何考えてんの。桐青のエースだって自覚がたんね~みたいだな。」
「まぁまぁ。やる気が出ない時は仕方ないって。な、準太。」
「山ちゃんは甘すぎるって!」
「え~?そおかなあ?」
偶然の人選だったわけだが、飴と鞭の絶妙なるコンビネーションが誕生しつつあった。
「ねぇ準太、どうして練習行かないの~?」
連行してから黙秘を貫く高瀬の顔を山ノ井は覗き込む。
「…………。」
「初戦で負けて燃え尽きたんだろ。」
「そうかなあ?なんか悩みがあるんじゃないの?」
「……………。」
高瀬は黙秘を続ける。
「あのな、お前のせいで俺は貴重な放課後をだなぁ…」
「スンマセン…」
高瀬がやっと重い口を開く。
「本当スイマセン…。でも俺どうしても投げる気になれなくて…」
「何を甘ったれたこと言」
「だったら仕方ないよね~」「ちょっと…!山ちゃん!」「え~?」
「え~?じゃなくて!ああもうどうしてこう山ちゃんにはこう緊張感ってもんがねーかなあ!コイツは高校球児なんだから、3年間練習しかねぇんだってハッキリ教えてやんねえと!俺達だって3年間」
「休みなく突っ走って初戦負けだよね。あはは」
「……ああもう…」
島崎は頭を押さえた。駄目だこりゃ…こんなことなら予備校に向う河合を無理にでも引っ張ってくるべきだった。
(俺には荷が重すぎるなぁ…)
「ねぇ」
山ノ井は言う。
「俺、準太の好きにさせてあげればいいと思うよ。強請したって良い結果は生まれないと思うな…それに俺思うんだけど…野球より大切なことってたくさんあると思うんだよ。俺達が年取って高校生活を思い出した時、野球しかなかったら少し寂しいと思うんだ。だから俺は練習も大切だけど、恋愛することも遊ぶこともサボることも同じくらい大切だと思うんだ。」
「山ちゃん…」
「だから準太、さぼっていいよ~。」
「山サンっ…!俺…!」
感銘を受けて涙ぐんだ高瀬は山ノ井に泣き付いた。
「俺っ…あの試合のあと…西浦のピッチャーが気になって…気になって…夜もろくに眠れないんです…。どうしていいかわかんなくって…三橋のことを考えると胸がドキドキして…部活どころじゃ無くなっちゃって…」
「それって…」
山ノ井と島崎は顔を合わせる。
「恋、だな。」
「恋、だね。」
これが…恋…
高瀬はぼんやりと呟いた。そうか…これが…。高瀬にとってそれは初恋だった。そして思った。今日はこれから西浦に行こう。三橋に会って言おう。友達になってくれませんか。焦っちゃ駄目だ。ゆっくりゆっくり確実に…仲良くなればいい。
楽しそうに投げるアイツがみたい。
三橋の顔を一目見るだけで、投げる気力も沸いてくるような気がする。
そんな今日は戦士の休日。
引退した後だと言うのに、なぜこんなことになったのかと言えば、一年生捕手で新レギュラー候補の利央に泣き付かれたからである。即ち準太の罪状は利央曰く「準さんが、練習サボるんです!」ということになる。
利央が誰かれ構わず三年に泣き付くので、すでに推薦で進路が決っていて比較的暇な島崎と山ノ井が、お説教するということになったのだった。
「準太お前、練習出ないと駄目だろ?マジでお前、何考えてんの。桐青のエースだって自覚がたんね~みたいだな。」
「まぁまぁ。やる気が出ない時は仕方ないって。な、準太。」
「山ちゃんは甘すぎるって!」
「え~?そおかなあ?」
偶然の人選だったわけだが、飴と鞭の絶妙なるコンビネーションが誕生しつつあった。
「ねぇ準太、どうして練習行かないの~?」
連行してから黙秘を貫く高瀬の顔を山ノ井は覗き込む。
「…………。」
「初戦で負けて燃え尽きたんだろ。」
「そうかなあ?なんか悩みがあるんじゃないの?」
「……………。」
高瀬は黙秘を続ける。
「あのな、お前のせいで俺は貴重な放課後をだなぁ…」
「スンマセン…」
高瀬がやっと重い口を開く。
「本当スイマセン…。でも俺どうしても投げる気になれなくて…」
「何を甘ったれたこと言」
「だったら仕方ないよね~」「ちょっと…!山ちゃん!」「え~?」
「え~?じゃなくて!ああもうどうしてこう山ちゃんにはこう緊張感ってもんがねーかなあ!コイツは高校球児なんだから、3年間練習しかねぇんだってハッキリ教えてやんねえと!俺達だって3年間」
「休みなく突っ走って初戦負けだよね。あはは」
「……ああもう…」
島崎は頭を押さえた。駄目だこりゃ…こんなことなら予備校に向う河合を無理にでも引っ張ってくるべきだった。
(俺には荷が重すぎるなぁ…)
「ねぇ」
山ノ井は言う。
「俺、準太の好きにさせてあげればいいと思うよ。強請したって良い結果は生まれないと思うな…それに俺思うんだけど…野球より大切なことってたくさんあると思うんだよ。俺達が年取って高校生活を思い出した時、野球しかなかったら少し寂しいと思うんだ。だから俺は練習も大切だけど、恋愛することも遊ぶこともサボることも同じくらい大切だと思うんだ。」
「山ちゃん…」
「だから準太、さぼっていいよ~。」
「山サンっ…!俺…!」
感銘を受けて涙ぐんだ高瀬は山ノ井に泣き付いた。
「俺っ…あの試合のあと…西浦のピッチャーが気になって…気になって…夜もろくに眠れないんです…。どうしていいかわかんなくって…三橋のことを考えると胸がドキドキして…部活どころじゃ無くなっちゃって…」
「それって…」
山ノ井と島崎は顔を合わせる。
「恋、だな。」
「恋、だね。」
これが…恋…
高瀬はぼんやりと呟いた。そうか…これが…。高瀬にとってそれは初恋だった。そして思った。今日はこれから西浦に行こう。三橋に会って言おう。友達になってくれませんか。焦っちゃ駄目だ。ゆっくりゆっくり確実に…仲良くなればいい。
楽しそうに投げるアイツがみたい。
三橋の顔を一目見るだけで、投げる気力も沸いてくるような気がする。
そんな今日は戦士の休日。
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