ちょっとした短い小説の掃き溜め。
CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。
(※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず)
コメントはご自由にどうぞ。いただけるとやる気が出ます。
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三橋はいつも以上に不安の表情で立ち尽くしていた。
今三橋の体を覆う布は普段の五分の一程度でしかない。
元々色白だと思っていたがこうしてみると日に焼けた部分と普段服で隠されていた生々しい素肌の部分の色の差がくっきりと鮮明に出ている。
阿部があまりにじっとその色があからさまに変わる腕のラインを眺めていたので、三橋は視線を泳がせながら元々焼けにくい体なのだが、今年の激しい野球部の練習で予想以上に焼けたのだとたどたどしく説明を加えた。
充分な準備体操をして、ゆっくりと水面に体を沈める。
今日は三橋と二人きりで市内のプールに遊びに来たのだった。
「三橋も早くこいよ」
プールサイドに突っ立ったままいつも以上にきょどっている相手に手を差し延べる。
「う、あ……」
「お前まさか高校生にもなって水が怖い…なんて言わねーよな?」
「う……」
相手が青ざめて固まる。それは自白と同じだと阿部は思った。
「お前なぁ!!」
「ご、ごめんなさいぃぃ…」
小さく縮まるこまる相手を見て落ち着けと阿部は自分自身に言い聞かせた。
怒るな怒るな。元々プールに誘ったのは自分だ。こいつが俺の誘いを無下に断れるわけないじゃないか。
「わかったよ。焦んなくていいからさ、ゆっくり足から入りな。泳ぎも教えてやっから。」
「ほ、本当…?」
途端に三橋の目が輝きをます。本当単純なやつと内心思う。顔には出さないけれど。 「本当だって。ほら早く入れよ」
三橋の腕を引っ張る。軽く引いたつもりだったのだが、三橋はバランスを崩したのか大幅によろけて水面に叩き付けられるように落ちた。
バシャンと水飛沫があがり、阿部の顔にかかる。
「うあっ…うっ」
突然のことでパニックになった三橋が慌て蓋めいて手足をジタバタしながらもがいている。
(こいつ…溺れてんの…か?)
「お、おい大丈夫か…」
思わず引きよせると三橋はしがみつくように抱き付いた。
「あっ阿部君っ…俺怖いっ…」
「ちょ…落ち着けって三橋。大丈夫だから。俺がついてるって」
「あ、阿部君…」
「沈まねぇように俺が手取り足取り教えてやっから」
「ああありがとう阿部君……俺……阿部く、んが好き…だ…」
「か、完璧だ…」
阿部は鼻を押さえて更衣室の壁をガンガン叩いた。
この日のために阿部は何度も何度も脳内シュミレーションを繰り返してきた。
今日きっとこの二人の関係は急速に縮まるのだ。そうなるに違いない。いや何が何でもそうしてみせる!
(待ってろよ…三橋!)
「あ、阿部君着替え終わった?」
隣で水着姿の三橋が言う。 日焼けのラインが目立つが、全体的に色白い三橋の体は美しかった。現実の三橋の水着姿が見れただけで本望のような気がする。
「お、おう。じゃ行こうぜ!」
「なーそれにしても三橋って素肌白いんだなぁ!女みてぇ!」
「たっ田島君…変なとこ…触んない…で…」
「なんでなんで!?気持ちいくない!?」
「はっ恥ずかしい…よ」
ん…?
阿部は目を擦った。今のは錯覚と幻聴か?脳内シュミレーションのし過ぎで疲れてんのかな…
「な、早く行こうぜ!三橋」「う、うん!」
「だまらっしゃあああああああああい!」
阿部は思い切り更衣室のロッカーを殴る。ベコッと音がして扉がヘコんだ。
無理矢理笑顔を作って、いるはずのない人物にゆっくりと詰め寄る。
「田島…?お前なんでいんの?」
「ん?今朝三橋に電話したら阿部と二人でプールに行くっつーからついてきた!大勢のほうが楽しいだろ!な、三橋!!!………………………………………ってか抜けがけは絶対許さなねぇかんな、阿部。」
………以降の部分は阿部にしか聞き取れないほどの小さな声である。ニコッと田島が笑いながら三橋に腕を回す。三橋は嬉しそうにコクコク頷いた。
「後から花井と栄口と泉と巣山と沖と西広と浜田もくっから!」
「な、なにぃ…」
「う、うぉ…沢山だ…沢山…」
「後で皆で水中鬼ごっこな!」
田島は三橋の肩に手を回したままプールへ歩いて行く。予想外の出来事に阿部はわなわなと立ち尽くした。
三橋と田島の会話が右から左に抜けていく。み、水谷君は…?あ、やべっ誘うの忘れた!ま、いっか!などの会話が…。
「うぉープールだぁ!!」
「プップール!!!」
水面を目にして三橋と田島の目は輝きを増す。だだだだだと走り出した田島はそのまま飛び込んだ。三橋もそれに習う。
「ばっか…!準備体操…!」あのあほが!準備体操もしねぇで飛び込みやがった!! びっくりした心臓が止まったらどうすんだ!!
もちろん阿部の心配は三橋だけに向けられている。
っていうか……
ん……?
「三橋、お前泳げんの?」
スイスイと器用に水中を進んでいく三橋に思わず阿部は声をかける。
「お、泳げる、よ!!」
「み、水怖くねーの?」
「ち、ちっちゃい頃は怖かったけど…今は平気っ!叶君に泳ぎ方沢山教えて貰ったっから!」
「……………。」
(叶……次あったら刺ス)
現実と理想の狭間で阿部はひっそりと涙を零した。
(なんで俺ばっか…り…)
今三橋の体を覆う布は普段の五分の一程度でしかない。
元々色白だと思っていたがこうしてみると日に焼けた部分と普段服で隠されていた生々しい素肌の部分の色の差がくっきりと鮮明に出ている。
阿部があまりにじっとその色があからさまに変わる腕のラインを眺めていたので、三橋は視線を泳がせながら元々焼けにくい体なのだが、今年の激しい野球部の練習で予想以上に焼けたのだとたどたどしく説明を加えた。
充分な準備体操をして、ゆっくりと水面に体を沈める。
今日は三橋と二人きりで市内のプールに遊びに来たのだった。
「三橋も早くこいよ」
プールサイドに突っ立ったままいつも以上にきょどっている相手に手を差し延べる。
「う、あ……」
「お前まさか高校生にもなって水が怖い…なんて言わねーよな?」
「う……」
相手が青ざめて固まる。それは自白と同じだと阿部は思った。
「お前なぁ!!」
「ご、ごめんなさいぃぃ…」
小さく縮まるこまる相手を見て落ち着けと阿部は自分自身に言い聞かせた。
怒るな怒るな。元々プールに誘ったのは自分だ。こいつが俺の誘いを無下に断れるわけないじゃないか。
「わかったよ。焦んなくていいからさ、ゆっくり足から入りな。泳ぎも教えてやっから。」
「ほ、本当…?」
途端に三橋の目が輝きをます。本当単純なやつと内心思う。顔には出さないけれど。 「本当だって。ほら早く入れよ」
三橋の腕を引っ張る。軽く引いたつもりだったのだが、三橋はバランスを崩したのか大幅によろけて水面に叩き付けられるように落ちた。
バシャンと水飛沫があがり、阿部の顔にかかる。
「うあっ…うっ」
突然のことでパニックになった三橋が慌て蓋めいて手足をジタバタしながらもがいている。
(こいつ…溺れてんの…か?)
「お、おい大丈夫か…」
思わず引きよせると三橋はしがみつくように抱き付いた。
「あっ阿部君っ…俺怖いっ…」
「ちょ…落ち着けって三橋。大丈夫だから。俺がついてるって」
「あ、阿部君…」
「沈まねぇように俺が手取り足取り教えてやっから」
「ああありがとう阿部君……俺……阿部く、んが好き…だ…」
「か、完璧だ…」
阿部は鼻を押さえて更衣室の壁をガンガン叩いた。
この日のために阿部は何度も何度も脳内シュミレーションを繰り返してきた。
今日きっとこの二人の関係は急速に縮まるのだ。そうなるに違いない。いや何が何でもそうしてみせる!
(待ってろよ…三橋!)
「あ、阿部君着替え終わった?」
隣で水着姿の三橋が言う。 日焼けのラインが目立つが、全体的に色白い三橋の体は美しかった。現実の三橋の水着姿が見れただけで本望のような気がする。
「お、おう。じゃ行こうぜ!」
「なーそれにしても三橋って素肌白いんだなぁ!女みてぇ!」
「たっ田島君…変なとこ…触んない…で…」
「なんでなんで!?気持ちいくない!?」
「はっ恥ずかしい…よ」
ん…?
阿部は目を擦った。今のは錯覚と幻聴か?脳内シュミレーションのし過ぎで疲れてんのかな…
「な、早く行こうぜ!三橋」「う、うん!」
「だまらっしゃあああああああああい!」
阿部は思い切り更衣室のロッカーを殴る。ベコッと音がして扉がヘコんだ。
無理矢理笑顔を作って、いるはずのない人物にゆっくりと詰め寄る。
「田島…?お前なんでいんの?」
「ん?今朝三橋に電話したら阿部と二人でプールに行くっつーからついてきた!大勢のほうが楽しいだろ!な、三橋!!!………………………………………ってか抜けがけは絶対許さなねぇかんな、阿部。」
………以降の部分は阿部にしか聞き取れないほどの小さな声である。ニコッと田島が笑いながら三橋に腕を回す。三橋は嬉しそうにコクコク頷いた。
「後から花井と栄口と泉と巣山と沖と西広と浜田もくっから!」
「な、なにぃ…」
「う、うぉ…沢山だ…沢山…」
「後で皆で水中鬼ごっこな!」
田島は三橋の肩に手を回したままプールへ歩いて行く。予想外の出来事に阿部はわなわなと立ち尽くした。
三橋と田島の会話が右から左に抜けていく。み、水谷君は…?あ、やべっ誘うの忘れた!ま、いっか!などの会話が…。
「うぉープールだぁ!!」
「プップール!!!」
水面を目にして三橋と田島の目は輝きを増す。だだだだだと走り出した田島はそのまま飛び込んだ。三橋もそれに習う。
「ばっか…!準備体操…!」あのあほが!準備体操もしねぇで飛び込みやがった!! びっくりした心臓が止まったらどうすんだ!!
もちろん阿部の心配は三橋だけに向けられている。
っていうか……
ん……?
「三橋、お前泳げんの?」
スイスイと器用に水中を進んでいく三橋に思わず阿部は声をかける。
「お、泳げる、よ!!」
「み、水怖くねーの?」
「ち、ちっちゃい頃は怖かったけど…今は平気っ!叶君に泳ぎ方沢山教えて貰ったっから!」
「……………。」
(叶……次あったら刺ス)
現実と理想の狭間で阿部はひっそりと涙を零した。
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