ちょっとした短い小説の掃き溜め。
CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。
(※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず)
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肩を壊して、生きる意味がわからなくなった。身におこる全ての事柄がどうでもよく、早急の終焉を待望んでいた。力を持て余した肉体が何かをぶち壊すことを渇望していた。壊せればなんでも良かった。大切なものでさえあれば。
「ぐっ」
苦しむ声が聞こえて俺は今、ゆっくりと泉の首を締めているという現実に気がついた。
なにやってんだ俺…
しかし腕の力を緩める気は起こらない。ゆっくりと力を込めて泉の首をしめた。
泉は瞳を少しだけ大きくした。
その瞳には怒りも、悲しみも、恐怖も、同情の色もない。
「泉ぃ…ごめん…ごめん」
苦しげな声を漏らす幼馴染みにかける俺の声は掠れて震えていた。その時はじめて自分が泣いていることに気がついた。涙の粒がポタポタと泉の頬に落ちて行った。
「がっ…はま…せん…ぱい…」
「ごめん…泉…ごめん」
ごめん…泉…駄目なんだ…何かを壊さないと…俺気が狂いそうで狂いそうで…。死にそうなんだよ、泉。苦しくて苦しくて窒息しそうなくらい胸が詰まってる。死にたい…死にたくない…全てを破壊したい…壊したくなんかない…全てを失いたい…失いたくない…。
全てをむちゃくちゃにしたい…
「泉…ごめん…ごめんなぁ…」
「はま…だ」
その時泉の弱弱しい腕が優しく伸びて俺の頬に触れた。 苦しいだろうに、泉は全てを許すかのように微笑を浮かべて俺の目尻から溢れ出す涙をそっと拭った。
その瞬間俺の体から全ての力が抜けた。
「げほっがほっごほっ」
泉は冷たい床に倒れ込んで何日も食事をとれなかった人が我を忘れて食べ物をむさぼるように空気を吸い込んでいた。むせてもむせても関係ないように泉は大袈裟なほど肩を上下させて噛み締めるような呼吸を味わっていた。
「げほっがほっゴホッ」
「泉……」
俺は膝を抱いて顔を埋めて泣いた。
「一緒に死んでくれよ泉ぃ…もう嫌だ…何もかもが嫌なんだ。こんな自分もこんな境遇も待構えている未来も変わるはずのない世界も…全てが嫌なんだ」
どんなに望んでも焦がれても肩を壊した俺は投手としてあの場所に…あのマウンドに…立つことはできない。
野球が……俺の全てだった。
「ガボッゴホッ……ねぇ…浜田先輩…」
泉は石ころのように床に転がったまま、天井を眺めながら言った。
「キャッチボール、しませんか。浜田先輩。」
先程起こった出来事など嘘だと思えるくらいに明るい声だった。
「キャッチボール…しましょうよ、浜田先輩」
本格的なピッチングは無理でも軽いキャッチボールくらいならできる、って言ってたじゃないですか。
野球、しましょうよ。
投手もいいですけど、ファーストも悪かないですよ。なかなか良いもんですよ。
先輩は今野球やめちゃ…絶対駄目です。
捨てられないものを無理に捨てようとするから、全て壊したくなるんだと思うんです。
だからキャッチボールしましょうよ、先輩。
ゆっくりゆっくり…先輩の新しい野球…見つけましょう。
それでも先輩が満たされない時は…
俺を好きにしてください。
衝動にかられるまま、首を締めて、ナイフを胸に突き刺して……めった刺しにして…構いませんから。
俺喜んで浜田先輩と一緒に死にます。先輩が好きだから。浜田先輩のいない世界なんて考えられないから。
だから先輩、キャッチボール…しましょう。
死ぬのはそれからでも遅くないですよ。
それはまさに天使の声で…俺の心の不安をかき消して希望の光に満たしてくれたのだった。
「ぐっ」
苦しむ声が聞こえて俺は今、ゆっくりと泉の首を締めているという現実に気がついた。
なにやってんだ俺…
しかし腕の力を緩める気は起こらない。ゆっくりと力を込めて泉の首をしめた。
泉は瞳を少しだけ大きくした。
その瞳には怒りも、悲しみも、恐怖も、同情の色もない。
「泉ぃ…ごめん…ごめん」
苦しげな声を漏らす幼馴染みにかける俺の声は掠れて震えていた。その時はじめて自分が泣いていることに気がついた。涙の粒がポタポタと泉の頬に落ちて行った。
「がっ…はま…せん…ぱい…」
「ごめん…泉…ごめん」
ごめん…泉…駄目なんだ…何かを壊さないと…俺気が狂いそうで狂いそうで…。死にそうなんだよ、泉。苦しくて苦しくて窒息しそうなくらい胸が詰まってる。死にたい…死にたくない…全てを破壊したい…壊したくなんかない…全てを失いたい…失いたくない…。
全てをむちゃくちゃにしたい…
「泉…ごめん…ごめんなぁ…」
「はま…だ」
その時泉の弱弱しい腕が優しく伸びて俺の頬に触れた。 苦しいだろうに、泉は全てを許すかのように微笑を浮かべて俺の目尻から溢れ出す涙をそっと拭った。
その瞬間俺の体から全ての力が抜けた。
「げほっがほっごほっ」
泉は冷たい床に倒れ込んで何日も食事をとれなかった人が我を忘れて食べ物をむさぼるように空気を吸い込んでいた。むせてもむせても関係ないように泉は大袈裟なほど肩を上下させて噛み締めるような呼吸を味わっていた。
「げほっがほっゴホッ」
「泉……」
俺は膝を抱いて顔を埋めて泣いた。
「一緒に死んでくれよ泉ぃ…もう嫌だ…何もかもが嫌なんだ。こんな自分もこんな境遇も待構えている未来も変わるはずのない世界も…全てが嫌なんだ」
どんなに望んでも焦がれても肩を壊した俺は投手としてあの場所に…あのマウンドに…立つことはできない。
野球が……俺の全てだった。
「ガボッゴホッ……ねぇ…浜田先輩…」
泉は石ころのように床に転がったまま、天井を眺めながら言った。
「キャッチボール、しませんか。浜田先輩。」
先程起こった出来事など嘘だと思えるくらいに明るい声だった。
「キャッチボール…しましょうよ、浜田先輩」
本格的なピッチングは無理でも軽いキャッチボールくらいならできる、って言ってたじゃないですか。
野球、しましょうよ。
投手もいいですけど、ファーストも悪かないですよ。なかなか良いもんですよ。
先輩は今野球やめちゃ…絶対駄目です。
捨てられないものを無理に捨てようとするから、全て壊したくなるんだと思うんです。
だからキャッチボールしましょうよ、先輩。
ゆっくりゆっくり…先輩の新しい野球…見つけましょう。
それでも先輩が満たされない時は…
俺を好きにしてください。
衝動にかられるまま、首を締めて、ナイフを胸に突き刺して……めった刺しにして…構いませんから。
俺喜んで浜田先輩と一緒に死にます。先輩が好きだから。浜田先輩のいない世界なんて考えられないから。
だから先輩、キャッチボール…しましょう。
死ぬのはそれからでも遅くないですよ。
それはまさに天使の声で…俺の心の不安をかき消して希望の光に満たしてくれたのだった。
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