ちょっとした短い小説の掃き溜め。
CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。
(※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず)
コメントはご自由にどうぞ。いただけるとやる気が出ます。
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真田弦一郎が病室についた時、幸村精市は…ほのかに顔を火照らして静かに眠っていた。
先ほどナースセンターに通りかかった時顔見知りの看護婦が、今日は今朝から微熱が続いてずっと寝ているのだと教えてくれたのを思い出す。
ずれおちた冷えたタオルを額の上に整えてやる。
その手は元の位置には戻らず、そのまま幸村の頬におりてゆく。
通常の体温より、やや高い温度が冷えた真田の掌の感覚点から嫌でも伝わってくる。
眉を潜めた寝顔が幸村の苦しみを物語っていた。
「幸村…」
何をしているのだろう自分は。
手を離さなければならないのに執拗に体はそれを拒んだ。
「さな…だ…」
びくりとする。幸村が目覚めたのではなかった。
「寝言か…」
体は自然とかがみこみ、気がつけば幸村の唇に自分の唇を重ねている自分がいた。
(熱も病もこの口付けで全て吸い取ることができたらいい。)
(幸村が全ての苦しみから救われるのならば、俺は喜んで全ての苦を背負いたい。)
愛が生まれた日。
先ほどナースセンターに通りかかった時顔見知りの看護婦が、今日は今朝から微熱が続いてずっと寝ているのだと教えてくれたのを思い出す。
ずれおちた冷えたタオルを額の上に整えてやる。
その手は元の位置には戻らず、そのまま幸村の頬におりてゆく。
通常の体温より、やや高い温度が冷えた真田の掌の感覚点から嫌でも伝わってくる。
眉を潜めた寝顔が幸村の苦しみを物語っていた。
「幸村…」
何をしているのだろう自分は。
手を離さなければならないのに執拗に体はそれを拒んだ。
「さな…だ…」
びくりとする。幸村が目覚めたのではなかった。
「寝言か…」
体は自然とかがみこみ、気がつけば幸村の唇に自分の唇を重ねている自分がいた。
(熱も病もこの口付けで全て吸い取ることができたらいい。)
(幸村が全ての苦しみから救われるのならば、俺は喜んで全ての苦を背負いたい。)
愛が生まれた日。
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部長 ぶちょう ブチョウ
俺はあの人を部長と呼ぶ。
味気ない。
ただの役職名だ。
そんな名前で呼びたいんじゃないのに。
あの人にはきちんとした立派な名前があるのに。
幸村精市
ゆきむらせいいち
ユキムラセイイチ
「精市…」
名前を呼んでみる。こんな風に呼んだら張り倒されるだろうなと思いながら。
いつになったら許される?
そんな時は永劫に訪れない気がした。
見上げれば星は満天に満ちて
俺はあの人を部長と呼ぶ。
味気ない。
ただの役職名だ。
そんな名前で呼びたいんじゃないのに。
あの人にはきちんとした立派な名前があるのに。
幸村精市
ゆきむらせいいち
ユキムラセイイチ
「精市…」
名前を呼んでみる。こんな風に呼んだら張り倒されるだろうなと思いながら。
いつになったら許される?
そんな時は永劫に訪れない気がした。
見上げれば星は満天に満ちて
丸井が物を食べている時の顔がものすごく好きだ。本当に幸せそうな至福の笑顔。
「ちょっと幸村君、そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
病室で、与えたケーキをどこまでも貪欲に貪り食べる丸井の顔をあげた視線と俺の視線が交錯する。
「だって」
クスリと俺は笑う。
「死ぬ瞬間に丸井ブン太の物食べてる顔思い浮かべたらきっとつらいこととか悲しいことすべて忘れて天国にいけそうだからさ」
そう言った瞬間に、整った顔をくしゃくしゃに歪めた丸井の顔を俺は一生忘れないと思う。
「幸村君のバカ!」
丸井はまだ中身も入っているケーキの箱を俺に叩きつけてボロボロ泣きながら病室を逃げ出すように走り去った。
俺はきっとこの物理的な痛みも精神的な痛みも一生忘れない。
「ちょっと幸村君、そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
病室で、与えたケーキをどこまでも貪欲に貪り食べる丸井の顔をあげた視線と俺の視線が交錯する。
「だって」
クスリと俺は笑う。
「死ぬ瞬間に丸井ブン太の物食べてる顔思い浮かべたらきっとつらいこととか悲しいことすべて忘れて天国にいけそうだからさ」
そう言った瞬間に、整った顔をくしゃくしゃに歪めた丸井の顔を俺は一生忘れないと思う。
「幸村君のバカ!」
丸井はまだ中身も入っているケーキの箱を俺に叩きつけてボロボロ泣きながら病室を逃げ出すように走り去った。
俺はきっとこの物理的な痛みも精神的な痛みも一生忘れない。
永遠の時間をともに生きたいなんて言葉遊びが生み出した幻想に決まっている。
きっといつか俺達は別れる日が来るけれど、俺はその日を笑って受け入れることができるだろうか。
「幸村」
名を呼ばれる。この男の自分の名を尊ぶ声がたまらなく好きだった。
「幸村」
目を閉じて全身で聴いて。耳にしかと焼き付けておこうと思う。
いつか真田に会えなくなった時いつでも思い出せるように。
「真田」
この男は覚えているだろうか。俺と逢えない時を何十年と生きても俺の声を、真田と呼び続けた一声を忘れずにいてくれるだろうか。
永遠の時間軸がただひたすらに欲しくて手探りで求め続けている。
永遠などありはしないのに。
きっといつか俺達は別れる日が来るけれど、俺はその日を笑って受け入れることができるだろうか。
「幸村」
名を呼ばれる。この男の自分の名を尊ぶ声がたまらなく好きだった。
「幸村」
目を閉じて全身で聴いて。耳にしかと焼き付けておこうと思う。
いつか真田に会えなくなった時いつでも思い出せるように。
「真田」
この男は覚えているだろうか。俺と逢えない時を何十年と生きても俺の声を、真田と呼び続けた一声を忘れずにいてくれるだろうか。
永遠の時間軸がただひたすらに欲しくて手探りで求め続けている。
永遠などありはしないのに。
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