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ちょっとした短い小説の掃き溜め。 CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。 (※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず) コメントはご自由にどうぞ。いただけるとやる気が出ます。
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「ねぇ真田」

病室で食い入るように雑誌を眺めていた幸村は、意外にも器用な手つきでりんごをむいていた真田に向かって言った。

「このアイドル、絶対整形したよな。昔と全然顔が違う。」
「…………。」

真田は手を止めると幸村が指差した女の写真を覗き見る。

見たことのない若い女だった。
美人だとは思ったがさして興味はわかない。

「俺にはわからん」

そう言うと幸村は眉をひそめて露骨に嫌そうな顔をした。

「真田と話していてもつまらないよ。もう無理して毎日来るな。」
「なっ…」

「ねぇ蓮二…このアイドルさ…」
絶句している真田に背を向けて幸村は先ほどからおとなしく読書に励んでいた参謀に声をかける。
「ああ、この女か…」

楽しそうに会話を弾ませる二人を眺めて真田は深く溜め息をついた。
「今日は帰る。幸村りんご剥いておいたぞ。また明日…来るからな」

真田が帰り支度を整えて席を立っても幸村は返事も上の空で一切振り返ることもしなかった。

もう一度深く溜め息をついて真田は病室を出て行った。





「精市」

柳蓮二は真田と違ってこの意地悪い人物の本心を知っている。

「いい加減、弦一郎をからかって遊ぶのはよせ。本当に愛想尽かされても俺は知らないからな。」

クスッと幸村は笑う。

その本当に楽しげな冷徹な微笑を浮かべた幸村に柳は言葉を失う。




「そんなこと有り得ないよ。」





どこからそんな根拠のない自信が産まれてくるのだろうか。

もうしばらく続くのであろうこの幸村のゲームに付き合わされる柳もまた一つ深い溜め息をこぼしたのだった。







真田は絶対に俺を裏切らない。

そうだろう、真田?
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