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ちょっとした短い小説の掃き溜め。 CPごとにカテゴリをわけていないので、お目当てのCPがある方はブログ内検索を使ってください。 (※は性描写やグロい表現があるものです。読んでもご自身で責任がとれるという年齢に達している方のみ閲覧下さい。苦情等は一切受け付けませんのであしからず) コメントはご自由にどうぞ。いただけるとやる気が出ます。
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「……っく」
電車に乗り込むとちょうど満員電車の時間帯に重なってしまったようだった。

右に左にかけられる圧力に潰れてしまいそうだ。


「幸村…こっちにこい」

扉側に幸村を押しやって身を呈して人込みから守るように体を張る。

「真田……」

真田の腕の中で真田の背中に守られながら幸村は言った。
「俺は……女じゃない」

だからこんな真似はやめてくれ。俺は平気だ。そう目で訴えたつもりだった。



苦笑を浮かべた真田はそう非難されることなどすでに承知のようだった。


「俺の自己満足だ。お前が気に病む必要はない。」


「……………。」


少しだけ背伸びをして幸村は真田にキスをした。
「ゆっ?!」

電車は駅のホームに滑りこむ。
ドアが開くと同時に幸村はタロットホームに足を踏み出して笑顔で振り返る。
「ああ…今のは俺の自己満足だからね。真田が気を病む必要はないよ。」







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好きだと言われた。

断っても断っても好きだと言われた。


好き好き好き好き……





「その気持ちには応えられないって言ってるだろ!」

はじめは優しくなるべく傷付けないようにしようと思っていたのにとうとう業をにやして怒鳴ってしまった。


ぐっと唇を噛締めて赤也は叫んだ。


「嫌だ」



部長の一番にしてくれないと嫌だ!!!
視線を感じる放課後は、部長が…卒業してしまったから彼はもう部長ではないけれど…部長がこっそり部の様子を見に来ている時だった。


背中にその重たい視線を背負う。

けれど赤也は決して振り返らなかった。

振り向いた瞬間に全てを投げ出して泣いてしまいそうな自分が怖かった。


一年。

この一年は、部長から託されたこの部のためだけに生きると決めた。呼吸し食べ排出して生きるのはこの部の伝統のためだ。


でも一年たったその時は。

脳裏にやきついたままの恋しい背中にしがみついて泣きたいと思う。

会いたかったと叫びながら。

遠くて長い365日。




引退して卒業した後も頻発に真田や蓮二とテニス部を見に行った。

人目のつかない物陰から、いつも彼を見ていた。


会いはしない。


彼の集中力を削ぐのは嫌だった。

声もかけず姿も見せず彼の動作を一通り観察して、気が済んだら帰った。

「たまには…声をかけてやったらどうだ?」

優しい参謀の声に幸村は首を横に振った。

「一年待つって決めてるんだ。」


一年。

短いようで途方もなく長い365日。
好いとうよ、と思い切って告げた時彼は顔色一つ変えなかった。

「ふ~ん…」

ジト目でこちらを見ている。
これは積年積もりに積もった想いを噴出した仁王にとって、想定外の出来事だった。

「あのな、幸村…」
「で、今度は俺をペテンにかけるつもりなんだね?」

笑顔でそう言われた。
疑問口調だが彼の笑顔は断定的だ。

仁王はガクッと肩を落とした。

身から出た錆。
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